一刻も早く彰子に会いたい。そう思いながらも一方では会うのが怖い。
彰子の暗殺未遂事件が一応の決着を見た為、もう彰子を遠く越後に避難させておく必要はない。すぐにでも呼び戻せばいい。しかし、政宗は越後にその知らせをまだ送ってはいなかった。
これを機に彰子を奥州から解放するのも、一つの手だと政宗は考えていた。
彰子が政宗の側室になっていたのは、奥州が平成の世に帰るまでの一時的な居場所だったからだ。近くにいてほしいという政宗の望みを叶えつつ、多くの人と接さずに済む立場として『側室』を受け容れていたに過ぎない。しかし、彰子はこの世界に留まることが決まった。そうなった現在、彰子は『側室』の立場でいることに、躊躇を感じているらしい。
猫たちの話によれば、彰子は政宗側近たちが彼女を政宗の本当の妻にしたいと願っていることにも気付いているらしい。彼女自身の能力・知識からそれを請われていることは有り難いと思っているようだが、その一方で政宗に対して申し訳ないと思っていると萌葱は呆れたように言っていた。
政宗はこの世界にしては珍しく、19歳まで一人の室も持っていない。それは政宗自身が婚姻に興味がなく面倒くさいと思っていることも大きいが、政略的に独身を通していたという面があることも彰子は気付いている。そこに自分が本当の側室となれば、それは政宗の意に反することになるのではないかと考えているようだった。
更には元々一般庶民の彰子だ。彼女にとって結婚とは恋愛の一つの結果として齎されるものだ。友人たちの中には財閥の御曹司や政治家志望もいて、そんな彼らは結婚=両家の利益の一致による政略という認識だったから、そういう形の結婚があることも十分に理解している。また、恋愛結婚が主流となったのはここ数十年のことで、ある程度の身分がある者にとっては結婚は政略によって行うのが普通だったことも知っている。特に古代から近世にかけてはそれが当然だということは判っている。それでもやはり、彰子は結婚は恋愛の結果と思いたかった。
となると、政宗にも相思相愛の相手と結婚してほしいと思ってしまうのだ。政宗は奥州筆頭だ。そして、順調に行けばこの国の支配者となる。支配者というものは孤独なものだ。誰も同等の立場には立てない。支配者は全てが公となり、私の部分はほぼ持てない。支配者という役割だけを求められる。誰も彼を一人の男、一人の人間としては見なくなる。そして優れた為政者であればあるほど、周囲の求めに応じて個を、私を消していく。
だから、彰子としては政宗が妻を持つのならば相思相愛の相手であってほしいと願う。それが唯一、政宗が政宗でいることの出来る相手、孤独を癒せる相手であるはずなのだから。──彰子はその相手が自分であることに気付いてはいない。
また、仮に政宗が彰子を妻に望んでくれたとしても自分では役者不足だと思ってもいる。今でも既にブレーンとしての役割を果たしてはいるが、それは自分でなくとも出来るし側室でなくとも出来ることだ。側室となるならば自分のような何の後ろ盾もない女ではなく、奥州や伊達家にとってもっと有益な相手を選ぶべきだと思っている。
そんな考えを持っている彰子だから、政宗や側近が『本当の妻に』と望んでも首肯しないだろうと政宗は予測している。仮に頷いたとしても正室にはならないだろうし、彰子の他に妻を持つよう勧めるに違いない。政宗が彰子以外の妻を持つ気がない以上、彰子の条件を満たすことは不可能だ。条件を受け容れたと見せて理由をつけて他の女を召さなかったとしたら、何れは彰子が再び側室を辞めると言い出すに違いない。
それに──やはり政宗は彰子に愛されたい。ずっと想い続けている、ただ一人と思い定めた女性だ。愛した分だけ愛し返されたい。だが、彰子の心に忍足がいる以上、その願いは絶対に叶わない。
だから、政宗は彰子を奥州から解放する覚悟も持っていた。ただ、覚悟は持っていても、それを実行するのが怖かった。彰子を手放したくない。そう願ってしまうのもまた本心だ。
悶々としながら、溜まっていた書類を決裁する。能天気に戦場でもラブラブオーラ全開の前田夫妻が羨ましくなる。ツンデレ夫と自虐妻とはいえ相思相愛の浅井夫妻も羨ましい。彼らにはこんな葛藤はなかったのだろうと勝手に想像して、勝手に苛つく。人を愛するというのはこんなにも面倒なことなのかと。けれど、それでも彰子と出会えたことを神仏に感謝するし、彼女を愛したことを後悔することもない。
「政宗~、今帰ったぞ。かーちゃんからの返事持ってきたぜー」
苛々しながらも書類の決裁を終えた政宗の許に、彰子のところへ行っていた萌葱が戻ってくる。首に文箱を包んだ風呂敷をかけており、政宗のところへ行くとその風呂敷を外すよう促す。
いつもならば撫子(いつもの文遣いは撫子で、萌葱は今回が初めて)が促すよりも早く文を受け取る政宗が、珍しく動きが鈍い。
「なんだよ、かーちゃんの手紙、いらねーの?」
不審げな表情になり萌葱が問いかけると、政宗はハッとした表情になり、萌葱の首から風呂敷を外した。が、いつもなら嬉々として早速文を読む政宗がそれをしない。そんな政宗の様子に萌葱は何かあったのだと察する。恐らく、全てに片が付いたのだろう。それによって政宗はこれまで棚上げしていた問題と向き合うことになったに違いない。
彰子の暗殺未遂によって棚上げされていた問題は、彰子の処遇だけではない。それ以前に起きた、政宗と彰子の痴話喧嘩(と猫たちは勝手に思っている)の仲直りもちゃんとしたわけではないのだ。けれどそれは、政宗が勇気を出して一歩進めば簡単に解決すると萌葱は考えている。真朱や撫子に言わせれば『乙女心はそんなに簡単ではない』と反論されるだろうが。政宗が『彰子を好きだ! だから結婚しよう!!』と言いさえすれば、万事解決するに違いない。処遇だって問題ない。
「なー、政宗。お前馬鹿だろ」
いきなりの萌葱の言葉にムッとしたように政宗は彼を見た。この遠慮の欠片もない猫(今は虎)は、いつのまにか種族を超えた政宗の親友のような立場にいる。尤も萌葱は政宗のことを手のかかる弟か子分と思っているのだが、確かにそこには友情も感じているのだ。
「かーちゃんは忍足のこと、好きだぜ。すんげー愛してる。てか、忍足の奴、かーちゃんにプロポーズしてたしな。かーちゃんもそれ受け容れてたし」
忍足が大学を卒業し医師として一人立ちすれば、結婚するはずだった。まだ高校生だったから10年は先の話だったけれど、二人はその心算でいた。それほどに互いを人生の伴侶として認識していたのだ。
「だから諦めろと言いたいのか、萌葱」
判りきっていることを告げる萌葱に政宗は表情を険しくする。それに萌葱は内心ニヤリと笑った。
「やっぱ、馬鹿だなー、政宗。かーちゃんはもう二度と忍足に会えないんだぞ? つまり、忍足はもうかーちゃんを幸せには出来ないんだ」
二人が夢見ていた未来が来ることは絶対にない。生きる世界が分かたれてしまったのだから、不可能なのだ。
「かーちゃんを幸せに出来るのは、この世界に生きている奴だけなんだぞ。お前、その権利、他の誰かに譲るか?」
萌葱の言葉に政宗は目を見開いた。目から鱗とはこういうことを言うのかもしれないと思った。
ずっと自分では彰子を幸せにすることなど出来ないと思っていた。自分は忍足ではないから。忍足しか彰子を幸せに出来ないと思っていたから。彰子が彼しか望まないと思っていたから。
けれど、ここに彼はいない。ここにいるのは、自分だ。
「古い恋を忘れるには新しい恋って言うしな。お前が権利放棄するなら、俺たち婿がね探さないとなー。ああ、小十郎とかいいかもしれないな。かーちゃん、小十郎の声好きっつってたし。そもそもかーちゃん渋い男好きだしな。そういや、大河ドラマのときも片倉景綱好きだったな」
萌葱の言葉に自分の傳役を思い浮かべる。自分が誰よりも信頼する、背中を預けられる唯一の相手。なのに、萌葱の言葉で小十郎に対する不快感が湧き上がる。
「綱元もいいよな。あいつ美形だし、大人だし。歳離れてるけどお館様も包容力あるし。長曾我部元親とかいう奴も侠気あるらしいからそれもいいかもなー」
政宗の嫉妬心を煽るように萌葱は次々と名前を挙げる。そのたびに政宗の眉間の皺は小十郎並に深くなり、どんどん機嫌が悪くなっていく。それを萌葱は楽しげに見る。
(かーちゃんは考えすぎるからなー。自分からは動けないだろうから、ここは政宗を嗾けねーと)
「……誰がretireするって言った」
不機嫌度200%の地を這うような声で、政宗は萌葱を睨みつける。
「だって、政宗、かーちゃんのこともう諦めかけてんだろ? だから、かーちゃんからの文も見ないんだし」
政宗への気遣いに溢れた文を見れば、自覚していない彰子の想いを感じ取れるだろうにと萌葱は思う。自分の感情を口にするのは苦手な彰子だが、文字にするのはまた違う。直接的な言葉はないにしても、その優しい文字に政宗を大切に想っている気持ちが現れているはずだ。
萌葱に言われて、政宗は漸く彰子の文を開いた。そこには見慣れた柔らかな筆致の文字が綴られている。無理はしていないか、体を気遣ってほしい。自分は元気にやっている。でも、政宗と離れていると寂しさを感じる。早く会いたいと思うのは甘えだろうか。けれど自分のことで政宗に余計な負担をかけたくはない。そんな思いが綴られていた。
「因みに、昨日小十郎から聞いたんだけどさー。お前また縁談来てるらしいじゃん? 田村の姫とか聞いたけど」
「Ah? そんな話オレは聞いてねぇぞ」
彰子を政宗の正室にと望んでいる小十郎は、喜多や綱元と謀って政宗の許へ持ち込まれる縁談を握り潰している。だから政宗にとっては初耳だった。
「うん。こじゅが断ってる。つーかさ、そうやって周りがお膳立てしてるんだってことだよ。お前が動かねーと、かーちゃんはお前のものにはならねーってこと。かーちゃんさ、恋愛に関しては幼稚園児並なんだって」
親友の詩史や跡部にそう言って揶揄われていたほど、恋愛には晩生で臆病だったのが彰子だ。だから忍足は苦労した。恋人になるまでに1年以上の時間をかけたくらいだ。
「彰子の心にオレはいねぇんだ。彰子にとっちゃ、オレは家族みてぇなもんだろ。男じゃねぇ……」
それが判っているから、想いを告げられない。告げても彰子を戸惑わせ、困らせるだけだ。
「確かに初めはそうだったかもしれねーけどさ。人の心って変わるんだぜ?」
萌葱は呆れたように溜息をつく。自分の主である彰子も面倒くさいが、政宗も十分に面倒くさい。二人ともなまじ頭が良いだけに色々と考えすぎてしまうのだろう。恋愛は理性でするものではないというのに。
だから、萌葱は荒療治に出ることにした。その為の布石は既に越後で打っている。
「ついでに、かーちゃんにも田村の姫のこと伝えといたからな」
「なっ!?」
萌葱の落とした爆弾に政宗はこれ以上はないほどに目を見開いた。そして、咄嗟に刀を掴むと立ち上がる。何かを考える暇もなく、足音も高く部屋を出る。感情というよりも本能の赴くままに、そのまま厩に向かい、一人の供もつけることなく馬に飛び乗った。
「……パパ、私がこじゅろーさんに伝えとくから、パパは政宗の護衛ね」
いつの間にやら背後に来ていた撫子の言葉に、萌葱はニヤリと笑うと、虎からチーターへと変身し、政宗の後を追いかけていった。
「ホント、男って手がかかるよねぇ……」
撫子は溜息をつくと、政宗の行動を小十郎に知らせるべく、彼の許に向かったのであった。
一方、春日山城の彰子。彼女も今混乱の中にいた。原因は萌葱が帰り際に告げた言葉だった。
『そういえばさ、昨日、俺が出かける前に政宗の縁談がまた届いてたらしいよ。今度のは田村家の姫って小十郎が言ってた』
既に小十郎の裁量によって断られていることは言わず、それだけを告げて萌葱はさっさと奥州へ戻ったのだ。これも彰子に自覚させる為の布石だ。
彰子とて政宗に全く縁談がないとは思っていなかった。ただ、政宗の意向もあって全て断っていたのだろうと考えていた。しかし、実際にそんな話があることを知ると、自分でも意外なほど心が波立った。
しかも、萌葱は『田村家の姫』と言った。『伊達政宗』関係の『田村の姫』となれば、愛姫だ。彰子の知る歴史上の人物、伊達政宗の正室となった女性。
「……政宗さん、結婚、するのかな……?」
誰に問うわけでもなく、言葉が漏れる。その彰子を心配そうに真朱と衛門が見つめる。
ゲームに愛姫は登場しなかった。その所為かいつきが将来の愛姫ではないのかなんて説も一部のユーザーの中にはあったらしい。ともあれ、ゲーム内に愛姫がいなかったから、この世界に彼女はいないのだと思っていた。
けれど、それに該当する女性はいるのだ。彰子の生まれ育った世界では、政宗と仲睦まじい夫婦だったと言われる愛姫。彼女を予測させる存在に、彰子は動揺した。
「ママ、大丈夫ですわ。きっと小十郎さんたちが断ってます」
動揺する彰子に真朱が優しく声をかける。
「でも、真朱……。愛姫だよ。伊達政宗の正室……」
この世界の夫婦関係は、彰子の世界の史実と同じだ。信長の正妻は濃姫、浅井長政とお市、前田利家とまつ、豊臣秀吉とねね。ならば、政宗には、愛姫──。
「ここの政宗と仙台藩主伊達政宗は別人ですわ」
他の関係者がそうだったからといって、政宗もそれに倣うとは限らない。そもそも他の女性陣は有名な人物だ。彼女たちに比べれば愛姫の知名度は低い。ゲームの中ではちらりとも名前すら出ていないではないか。
「そう、だけど……」
真朱の慰めも彰子の動揺を抑えることは出来ない。
「ママ。動揺していらっしゃることが、何よりもママの素直なお心ではありませんこと?」
真朱の言葉に彰子はハッとして顔を上げた。
「ママが政宗のことをなんとも思っていないのであれば、これほどママのお心が乱れたりはしませんでしょう。ママが政宗を一人の男性として特別に思っておられるからこそ、動揺していらっしゃるのでしょう? 政宗の正室になるかもしれないと勝手に想像して、嫉妬しておられるのではありませんか」
澄んだ琥珀色の瞳で真朱はじっと愛する主を見つめる。その宝石にも似た目を彰子はじっと見返す。暫し部屋を沈黙が満たす。
「……ヤキモチ、焼いちゃったか。ホント、鈍いね、私」
沈黙を破ったのは、何処か明るい声になった彰子だった。忍足と政宗の二人を好きになってしまったのかとか、罪悪感とか、グダグダ考えていたが、今の自分の状態が全てを物語っているではないか。
他の女性が政宗の妻になるのかもしれないと思った瞬間、心を満たしたのは寂しさと悲しみ、そして紛れもない嫉妬だった。自分の知る歴史上の人物に当て嵌めて、政宗と相思相愛になり仲睦まじい夫婦となるに違いないと思い込んで嫉妬したのだ。政宗が自分ではない女性を選ぶのだと思ってしまった。それを悲しく思った。
「真朱、如何しよう? 政宗さん、私のこと、本当に好きでいてくれるのかな?」
猫たちもかすがも衛門も、政宗が彰子を特別に想っていると言ってくれている。だが、彰子はそれを否定してきた。政宗の保護欲に過ぎないと。政宗が自分に感じているのは家族愛に過ぎないと。自分の臆病さが傷つくことを回避する為にそう思わせていたのだ。
「御方様、殿は心の底から御方様を愛おしく思うておられますわ!!」
それまで沈黙を保っていた衛門が拳を握り力説する。ずっと二人を見てきた衛門だ。なんてお似合いのお二人だろう、絵巻物の中の恋人たちのようだと思っていた。女性に対しては素っ気無い政宗が優しい表情を見せるのは彰子に対してだけだということも衛門は知っている。彰子の真実を知らなかった頃には二人が愛し合い睦みあっていると信じて疑わなかったほど、政宗は彰子を大切にしていたのだ。
「御方様ほど、殿に相応しい女子はおりませぬ!! 殿と御方様は連理の枝、比翼の鳥。これほどに素晴らしいご夫婦が他にありましょうや」
まだ夫婦ではないというツッコミを真朱は出来なかった。口角から泡を飛ばす勢いで衛門は力説しまくっている。それに彰子は呆気に取られ苦笑した。
「ありがとう、衛門。でも、私、まだ政宗さんに好きともなんとも言われてないし。私も今気付いたばっかりだから、言ってないわ」
「まぁ! 殿ったらなんて情けない!」
不敬罪に問われそうなことを衛門は言う。が、それも仕方のないことかもしれないと衛門は思い直した。何しろ政宗の周りは男くさい。両親と疎遠だった分、男女の機微には疎いのが政宗だ。
「御方様、殿からのぷろぽーずとやらを待っていては、進展いたしませんわ、きっと! 殿は意外に純情であられますもの。御方様のかつての想い人への遠慮もございましょう」
政宗の辞書に遠慮なんて文字はないだろうと真朱は思ったが、敢えて突っ込まなかった。
「そ……そうかな」
確かにあれで意外と細やかな神経を持つ政宗だから彰子のことを思い遣って、或いは忍足に対しての罪悪感を感じて、彼からアクションを起こさないことも考えられる。
「御方様、私は御方様こそ我が主と思い定めておりまする。御方様にはお幸せになっていただきとうございまする。私だけではございませぬ。小督殿も喜多様も常葉丸も皆、御方様のお幸せを願っております。そして、御方様のお幸せは殿と添われることと思うております」
ずっと二人を見てきたからこそ、衛門はそう確信している。きっと御方様は殿と添われる為にこの世界に来たに違いないと。その為に深い哀しみを、苦しみを負ってしまわれたが、それを補って余りある幸福がきっと齎されるに違いない。
「されど、殿にお任せしていてはきっと時間がかかってしまいまする。殿はヘタレでございます」
萌葱や撫子の所為で妙な語彙の増えている衛門だった。確実に不敬なことを言っている衛門に彰子は乾いた笑いを漏らした。
「御方様から殿にぷろぽーずなさいませ!!」
彰子の両手を握り締め、鬼気迫る表情で告げる衛門にすっかり飲まれてしまった彰子は、勢いに流されるまま、コクコクと頷いていたのであった。