廓詞なんだけど

息子が婚約破棄をいたしまして~王妃の覚悟~

話としてはそれなりに面白い。よくある婚約破棄茶番のその後で、母王妃が責任取った感じの話。
ただ、一つだけ気になって仕方ないのが、王妃が使った「おさらばえ」という言葉。

『JIN-仁-』の野風(中谷美紀)が凛としたかっこいい女性だったから、その影響かなーと思ったり。
でもね、『おさらばえ』って野風が使ってたように、廓言葉なんだよね。
吉原で遊女が使ってた言葉。出身地を隠すためとか、遊郭という特殊空間の遊女という身分を意識させるためとか、客に平等に接するためとか色々理由はあるらしい。
ってことは、ナーロッパに照らし合わせると、『高級娼館の娼婦が使う言葉』ってことになるわけで。
それを王妃が使うのもなーって気になって。

響きが柔らかいし、普段使わない言葉だから特別感あるし、この言葉が広く認知されたのってJINの影響かなって気がするし、
そうすると上記のように野風のイメージで使ったのかなぁと思わんでもない。

でも、やっぱり、王妃に使わせる言葉じゃないよなぁと思って、それ以降この作者さんの作品はスルー。
(というか、作品一覧みたら、殆ど自分の検索条件に引っかからない作品ばっかりだった。この作品が偶々引っかかっただけみたい)

そういえば、日本の上流階級の女性の言葉遣いは花柳界の言葉がベースと聞いたことあるな。
明治維新の立役者の志士たちの奥さんがそっち出身が多かったからとか。
本当かどうかは判らないけど。

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