a piacere~意のままに~ どちらも選らばない
「私は…どちらも選べない。ごめんなさい」
それから10年の月日が流れた。
とある教会に卒業以来ほぼ会うことのなかった嘗てのテニス部のメンバーが顔を揃えている。
「まさかこないなことになるとはなぁ」
「全く予想外だぜ」
10年前2人揃って綾弥に『ごめんなさい』されてしまった忍足と跡部。
「大学卒業してその後再会したらしいですよ」
そう応じるのは新郎と今でも交流の深い鳳だ。
高校卒業後、跡部、宍戸、滝はそのまま氷帝大学へ、忍足は地元の国立大へ、綾弥は再びドイツの大学へとそれぞれの道は分かれていた。
そして、今10年振りの再会。
「なんや…鳶に油揚げ攫われたちゅううか…」
「大穴と言うか…」
忍足も跡部も溜息をつく。綾弥と会うことは殆どなかったが、それでも連絡は取り合っていた。2人とも諦めたわけではなかったから。
しかし、こうなっては流石に潔く諦めるより他はない。
「地元戻ったら、オカンの勧める見合いするか」
「俺もそろそろ選ばねぇとな…」
2人が再び溜息をついた時。
「おっ、2人とも出てきたぜ」
「綾弥ちゃん綺麗だC」
ウェディングドレスを纏った綾弥が姿を見せた。
この日、天野綾弥は宍戸亮の妻となったのである。
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