聖女のお願いなら、叶えなくちゃね★~監督局も巻き込んでの大茶番劇~

第三王子ルカーシュ&ファクル公爵令嬢エディタ

ルカーシュ・第三王子
カヌーン王国の第三王子。王族としての責務を果たしつつ、密かに劇作家を志しているが、その才能については婚約者から容赦のない評価を受けている。婚約者エディタを深く愛しており、彼女の辛辣な物言いにも慣れた様子で、軽妙な掛け合いを繰り広げる。
ある日、聖女セシリアの願いを叶えるため、婚約破棄茶番を演劇として実現することを思いつく。監督局を巻き込んだ模擬訓練という前代未聞の企画を立ち上げ、脚本を担当するなど、行動力と遊び心は十分。
ただし、創作の才能については婚約者のお墨付きが得られていない。家族や周囲の人々を巻き込みながら、幼い子供たちの願いを叶えようとする、どこか憎めない王子である。

エディタ・ファクル公爵令嬢
ファクル公爵家の令嬢で、第三王子ルカーシュの婚約者。
聡明で機転が利き、物事の実現可能性や周囲への影響を冷静に見極める現実主義者。歯に衣着せぬ物言いが持ち味で、愛する婚約者に対しても容赦はない。
ルカーシュの突飛な発想に呆れながらも、セシリアの願いを叶えるための演劇計画には理解を示し、監督局との調整や出演者の選定、演出を引き受ける。
幼い従妹ユーリアを温かく見守る優しさも持ち合わせており、厳しさと面倒見の良さを兼ね備えている。
自由奔放なルカーシュを的確な毒舌で制しながら、結局は彼の計画を成功へと導く、頼れる才女である。


第五王子ルーミル

「僕のほうが、セシーよりもずっとユーリアのことが大好きだもん」と主張しているルーミルくんの図。
カヌーン王国の第五王子。まだ幼く、素直で感情豊かな少年。
幼少期のルカーシュにそっくりだと評されるほどの泣き虫で、周囲からもその愛らしさを温かく見守られている。
聖女セシリアの願いを叶えるために企画された『婚約破棄茶番』劇では、主演の第五王子役を務めることになる。劇中では婚約者ユーリアとの婚約を破棄し、セシリアと真実の愛を誓うという筋書きだが、本人の性格を考えると、婚約破棄という言葉を口にするだけでも一苦労しそうな配役である。
一方、ユーリアを大切に思う気持ちは本物で、セシリアに夢中なユーリアに対して、自分のほうが彼女を好きだと張り合う微笑ましい一面もある。ユーリアからもセシリアからも慕われ、周囲の大人たちに見守られながら成長していく、純真で愛らしい王子。
果たして本番では、涙をこらえて最後まで台詞を言い切ることができるのか。


アドワ侯爵令嬢ユーリア

やっと噛まずに『エディタねえさま』と言えてご機嫌のユーリアちゃん。
アドワ侯爵家の令嬢で、幼いながらも人懐っこく、好きな人への愛情を惜しみなく表現する少女。ファクル公爵令嬢エディタの従妹にあたり、言動までエディタにそっくりだと評されている。
まだ三歳という年齢ゆえ、言葉を上手に発音するのも一苦労だが、エディタを慕う気持ちは人一倍強く、名前をきちんと言えるようになると大喜びする健気な一面を持つ。聖女セシリアのことも大好きで、彼女が望む『婚約破棄茶番』劇への参加を喜んで引き受ける。
劇中ではルーミルの婚約者であり、婚約破棄を告げられる侯爵令嬢役を演じることになるが、本人はセシリアもルーミルも大好き。
ルーミルから自分への愛情を主張されても、二人とも大好きだと無邪気に答える姿は、周囲の大人たちを和ませる。
幼いながらも物怖じせず、家族や大切な人々に囲まれてのびのびと育つ、愛らしいお嬢様である。


聖女セシリア

『婚約破棄茶番を実現するのは難しい』と言われて大泣き寸前の聖女ちゃん。
シッル神によって聖女に認定された、五歳の少女。好奇心旺盛で、興味を持ったことにはまっすぐに飛び込んでいく。
かつて異世界から転移してきた聖女マツリと親しくなり、彼女から異世界で流行している物語を教わったことで、平民出身の聖女が王子と結ばれ、悪役令嬢との婚約破棄を経て真実の愛を成就させるという展開に憧れるようになる。そして、自分もその物語のような『婚約破棄茶番』を見てみたいと願う。
現実には難しいと説明されて大泣きするほど、夢中になったことへの情熱は強い。その純粋な願いは、王子や公爵令嬢のみならず、国王夫妻や王国特殊法監督局まで巻き込む一大演劇計画へと発展することに。
本人だけが芝居であることを知らされず、周囲の大人たちが総出で本格的な舞台を用意するという、夢のような体験をする。
しかし、その無邪気なおねだりは、十数年後には本人にとって消し去りたい黒歴史となる。なお、その記録は秘密保持の権能を持つシッル神によって厳重に保管されることになるのだった。