攻略本には、わたくしたちの未来は載っていません

アウレーリア

公爵家の令嬢で、ティツィアーノ王子の婚約者。
王立学院に通う才女であり、物質化を得意とする魔法の適性を持つ家系に生まれた。
ある日、乙女ゲームのテストプレイヤー兼攻略本作成者だった前世の記憶を取り戻し、自分がゲームに登場する「悪役令嬢」の一人であることを知る。
さらに、愛する婚約者がゲームの筋書きではヒロインと結ばれるために自分を断罪し、事故に見せかけて命を奪うという、恐ろしい裏設定まで思い出してしまう。
現実のティツィアーノがそのような人物ではないと信じているからこそ、彼の意思さえも覆す何かが存在するのではないかという不安に苦しむ。
しかし、恐怖に囚われて婚約者を避け続けるのではなく、勇気を出して真実を打ち明け、魔法や精神への干渉がないかを確かめることを選ぶ。
前世の知識を活用して『超完全攻略本』を生み出し、ゲームの情報と現実の出来事を照らし合わせながら、未来に起こり得る危険を検証していく。
慎重で思慮深く、自らの記憶さえも盲信しない誠実さを備えた女性。
与えられた筋書きを運命と決めつけず、大切な人とともに自分たちの未来を切り開こうとする。


ティツィアーノ

王族としての品格と責任感を備えた、アウレーリアの婚約者。
整った顔立ちに深い色の瞳、優雅な身のこなしを持ち、穏やかな微笑を絶やさない。
相手の気持ちを尊重する思慮深さがあり、アウレーリアの様子に異変を感じても、無理に理由を聞き出そうとはせず、彼女が自分の言葉で話せるようになるまで待っていた。
やがて、彼女から前世の記憶と乙女ゲームの攻略本に記された恐ろしい未来について打ち明けられると、荒唐無稽な話だと切り捨てることも、根拠なく信じ込むこともせず、まずは事実を確かめようと提案する。
医師や魔術師による鑑定を手配し、さらにアウレーリアの持つ知識を手掛かりとして、ゲームの筋書きと現実の相違を二人で検証していく。
彼の魅力は、優しさだけでなく、物事を冷静に判断し、責任ある行動を選べるところにある。
婚約者のいる身として、リリアーヌ・ベルモン男爵令嬢から好意を寄せられた際にも、彼女の気持ちを頭ごなしに否定することなく、しかし曖昧な態度で期待を持たせることもせず、誠実に自らの立場と意思を伝えた。
ゲームの中では別の結末を迎える人物として描かれていても、現実の彼は自分の意思でアウレーリアとの約束を守ろうとする。
愛する人を一人で不安に立ち向かわせず、ともに考え、未来を選び取ろうとする王子である。


リリアーヌ・ベルモン男爵令嬢

ショッキングピンクの髪が印象的な、明るく物怖じしない男爵令嬢。
もとは平民であり、貴族社会の作法や身分に応じた距離感には、まだ不慣れなところがある。
王立学院に入学して間もなく、周囲の貴族子弟にも臆することなく話しかける姿は、好意的に受け取られる一方で、礼儀や慣習を重んじる者たちの目には、少々無遠慮に映ることもある。
乙女ゲームの世界においては、攻略対象たちとの恋愛を進める中心人物、すなわちヒロインに当たる存在。
ゲームの筋書きでは、彼女が攻略対象との恋を成就させることが、婚約者たちの断罪と悲劇的な結末につながっていく。
現実の世界でもティツィアーノ王子に惹かれ、会話を重ねるうちに恋心を深めていくが、彼にはアウレーリアという大切な婚約者がいる。
自分の気持ちを伝えようとする一方、王子から婚約者の存在と節度ある関係を望む意思を告げられると、戸惑いながらもその言葉を受け止める。
彼女の恋心そのものに悪意があるわけではなく、誰かを好きになる気持ちと、その相手と結ばれることが必ずしも同じではないという現実に向き合うことになる人物である。
ゲームのヒロインという役割だけでは測れない、一人の少女としての感情と意思を持ち、物語の行方に関わっていく。