自サバ系女騎士候補生って、なんか勘違いしてません

シャロン・キンバリー

シャロン・キンバリーは、キンバリー侯爵家の嫡女でありながら、華やかな社交界よりも騎士としての道を選んだ18歳の女性である。
幼い頃から従騎士として実務に携わり、15歳になると騎士学校へ進まず、直接騎士団の入団試験を受験。その卓越した実力によってイキシア騎士団へ入り、現在では第2部隊の隊長として王太子妃を護衛している。
普段のシャロンは、侯爵令嬢らしい優雅な立ち居振る舞いと穏やかな物腰を崩さない。しかしその本質は、一瞬の隙も見逃さない熟練の騎士である。特に短剣や暗器、体術に秀で、必要とあれば相手が反応するより先に制圧できるほどの技量を持つ。
彼女が大切にしているのは、女性騎士が男性騎士の代用品ではないという誇りだ。女性王族を守るためには同性だからこそできる護衛があり、礼儀作法や社交能力もまた騎士としての重要な技能であると考えている。ジェマのように「男みたいだから」という理由だけで騎士を目指す者には厳しいが、本気で女性騎士を志す者には、女性であることを弱点ではなく武器として活かせと助言する。
冷静で厳格に見えて、実は後進の育成と騎士団の誇りを誰よりも大切にする人物である。


ジェマ・バニスター

ジェマ・バニスターは、男爵家の次女として生まれ、将来の嫁ぎ先を自分で選べる立場ではないことから、騎士として身を立てようと騎士学校へ進んだ少女である。明るい栗色のボブヘアと栗色の瞳、平凡ながら親しみやすい顔立ちを持ち、女性らしい豊かな体つきをしている。
本人は自分を「サバサバした女」「男みたいな女」と評し、女同士の付き合いより男性と一緒にいるほうが気楽だと考えている。しかし、その言動は本人の自己認識とは大きく食い違っている。礼儀や作法を「女の面倒なもの」と切り捨て、侯爵令嬢であるシャロンに初対面から馴れ馴れしく接し、婚約者であるカールにも身体を密着させる。
さらに女性だけで構成されるイキシア騎士団についても、その存在意義を理解せず「男の目の保養」と考えていた。シャロンから女性騎士の役割を説明されても、当初は反発するばかりだった。
騎士学校の成績も芳しくなく、貴族教養は最低評価。結果として王立騎士団の騎士になる道は閉ざされ、父の伝手で一般兵士として王都守備隊に入ることになる。
ジェマは「自分らしさ」と「他者への無遠慮」を混同していた少女であり、女性騎士という職業を理解するためには、まず自分自身の価値観を見つめ直す必要があった。


カール・ブリュー

カール・ブリューはブリュー伯爵家の三男で、シャロンの元婚約者となる18歳の青年である。父親がキンバリー侯爵家の配下で騎士団長を務めていることから、両家の縁によってシャロンとの婚約が成立した。
しかしカールは、自分が侯爵家へ婿入りする立場であることを正確に理解しておらず、むしろ侯爵令嬢であるシャロンが自分に惚れ込んでいると思い込んでいた。騎士学校では成績下位に位置し、努力も十分とはいえない。にもかかわらず、婚約者の立場や仕事について調べることすらせず、シャロンを騎士学校の生徒だと思い込んでいた。
ジェマとは騎士学校で親しくなり、彼女を「女っぽい嫌なところがない男友達のような存在」と評する。しかし実際には人前で彼女の身体に触れるなど、明らかに異性として扱っている。
シャロンが女性騎士として高い地位にあることを知った後も、自分の思い込みを改められず、彼女を侮り続けた。最終的に婚約は白紙となり、騎士団の受験資格も失った。貴族としての地位も維持できず、最終的には領地の守備隊で一兵士として働くことになる。
彼の物語は、身分だけではなく、自らの立場を理解し努力することの重要性を示す役割を担っている。