グラフィラ・ドロフェエヴナ・シェレメチェヴァ
シェレメチェフ公爵家の令嬢で、王太子を支える第二王子アリスタルフの婚約者。
銀髪に蒼い瞳を持つ、凛とした美貌の少女。
幼い頃から政略によってアリスタルフと婚約しているが、二人は互いを深く想い合う恋人同士でもあり、アリスタルフからは親しい者だけが許される愛称「フィールシュカ」で呼ばれている。
公爵令嬢として高い教養と社交性を備え、王族の婚約者としての立場と責任も十分に理解している。
学院では執行部の一員としてアリスタルフを支え、彼の側近や友人からも信頼されている。
一見すると穏やかで物静かな令嬢だが、高位貴族社会の在り方を熟知しており、自分の立場を脅かす者に感情的に反応することはない。
カリーナがアリスタルフに馴れ馴れしく接し、ありもしない嫌がらせを訴えても、嫉妬するどころか、その背後にある事情を理解して静観していた。
公爵家の権力を振りかざす必要すらないほどの確固たる地位と、婚約者からの揺るぎない愛情を持つ女性。
アリスタルフにとっては何よりも大切な存在であり、彼が任務から解放された際に真っ先に帰る場所でもある。
アリスタルフ・ヴァシーリエヴィチ・フィリモーノ
ゼチュール王国の第二王子。
将来は大公位を授かり、兄である王太子を支える立場となる王族で、生徒会に相当する学院の執行部では会長を務める。
金髪碧眼の青年で、王族らしい気品と高い社交性を備える一方、婚約者グラフィラとは非常に親密な関係を築いている。
彼女を「フィールシュカ」と呼び、グラフィラからは特別な愛称「リスターシュカ」で呼ばれるなど、二人の間には深い信頼と愛情がある。
国家の機密や貴族社会の裏事情にも関わる立場にあり、王太子の命を受けて情報漏洩事件の調査に協力。
その一環として、ヤーロフ男爵令嬢カリーナを意図的に自分へ近づけ、彼女の兄たちを泳がせるという役目を負うことになる。
カリーナには恋愛感情があるように振る舞いながらも、実際には一切の好意を持っておらず、彼女の接近を耐え忍んでいた。
その間、最愛の婚約者と過ごす時間を奪われ続けたことで精神的な疲労を募らせる。
任務終了後は一転してカリーナに厳しく接し、彼女が自分だけの特別な名前だと思っていた「アーリャ」が、実は高位貴族社会で用いられる「隔称」だったことを明かす。
王子としての冷静さと、愛するグラフィラを侮辱された際の苛烈さを併せ持つ人物。
カリーナ・パーヴロヴナ・ヤーロヴァ
北部の小さな領地を治めるヤーロフ男爵家の末娘。
ストロベリーブロンドの髪と若葉色の大きな瞳を持つ、小柄で華奢な美少女。
領地では家族や使用人から蝶よ花よと可愛がられて育ったため、自己肯定感が非常に高く、自分は誰からも愛される「お姫様」だと思っている。
ロマンス小説に憧れ、自分だけの素敵な王子様との運命の恋を夢見て王都の学院へやって来た、典型的な恋愛脳のお嬢様である。
学院で出会った第二王子アリスタルフを「運命の王子様」だと思い込み、婚約者である公爵令嬢グラフィラから彼を奪えると信じて積極的に接近。
アリスタルフを親しげに「アーリャ」と呼び、腕に抱き着くなど身分を弁えない振る舞いを繰り返す。
また、自分が虐められていると嘘をついてグラフィラを悪者に仕立て、アリスタルフの同情を引こうとしていた。
しかし、その実態は国家の情報漏洩事件を調査するためにアリスタルフが演じていた「寵愛」であり、彼女の兄たちから情報を引き出すための囮だった。
事件解決後、兄たちは逮捕され、実家は取り潰し。
カリーナ自身も母方の親族に引き取られることになる。
さらに「アーリャ」が自分だけに許された特別な愛称だと思っていたことすら、高位貴族社会では「隔称」と呼ばれる特別な呼称だったと知り、自分の見ていた恋物語が最初から存在しなかったことを思い知らされる。