セレスティノ
先王エセキエルの遺児にして、本来の王位継承者。
五歳で両親を亡くし、叔父ドロテオを暫定国王として王位に就けることで、成人まで王位を守られることとなった。
幼少期から聡明で、王族としての教育のみならず、政治・外交・軍事に関する知識も着実に身につけ、民や貴族との交流を通じて次代の王に相応しい信頼を築いていった。
幼馴染であるベアトリクスとは幼い頃から婚約し、互いに深い信頼と愛情を育んだ恋人同士でもある。
学院在学中、ドロテオたちの策によってフローラとの仲を疑わせる状況を演出され、卒業謝恩会でベアトリクスとの婚約を破棄した「ように」見せかける。
しかしそれは、ドロテオ一派を油断させるための計画の一環だった。
流刑先として送り込まれたサリナスでベアトリクスらと合流し、王城を包囲。
王都の同志たちによるクーデターと呼応して国を奪還し、正式に即位する。
若くして王となった後は、父王の遺臣と次世代の側近たちに支えられ、王国の安寧を担う君主となる。
ベアトリクス・アルトドルファー
王国筆頭公爵家であるアルトドルファー公爵家の令嬢で、セレスティノの正妃となる女性。
銀糸のような髪と冴えわたる蒼い瞳、凛とした美貌を持ち、冷ややかな印象を与えることもある。
先王エセキエルの王命によって幼少期からセレスティノの婚約者となり、幼馴染として共に育つ中で、王太子と公爵令嬢という立場を超えた深い愛情と信頼を築いてきた。
高位貴族の令嬢として優れた判断力と胆力を備え、学院の卒業謝恩会で突然婚約破棄と王都追放を宣告された際にも、取り乱すことなく証人や手続きの確認を求めるなど冷静に対応した。
その裏では、セレスティノとともにドロテオ一派を排除する計画を進めており、婚約破棄劇そのものも計画の一部だった。
サリナスでは流刑にされたセレスティノを待ち続け、再会した際には公の場での毅然とした姿を忘れ、恋人として彼を抱きしめるなど、深い愛情を露わにする。
即位したセレスティノの隣で王妃となり、王国を支える伴侶として歩む。
フローラ・ガウク
ガウク男爵家の令嬢でありながら、実は優れた剣技と高い護衛能力を持つ女性騎士候補生。
王妃ゲルトルーデの実家であるギレスベルガー侯爵家の寄子という立場から、ドロテオ夫妻にはセレスティノを籠絡するためのハニートラップ要員として利用されたと思われていた。
しかし、実際にはギレスベルガー侯爵家当主イサンドロがアルトドルファー公爵家と密かに手を結んでおり、フローラ自身も計画の一部としてセレスティノとベアトリクスの了承の元、セレスティノに近づいていた。
可憐で庇護欲をそそる容姿を活かし、学院では恋愛感情を抱いているように振る舞ってセレスティノの側に入り込む一方、その正体は王立騎士団への入団を控えた本格的な騎士である。
もともとはベアトリクスの護衛兼侍女でもあり、彼女への忠誠も厚い。
卒業謝恩会ではセレスティノの腕に寄り添い、ドロテオ一派を完全に欺くことに成功。
サリナスでは、二人の護衛として行動し、セレスティノの即位後は王妃となったベアトリクスの護衛兼筆頭侍女として仕える。
ドロテオ
先々代国王の末子であり、先王エセキエルの弟。
王族として生まれながら、傲慢で怠惰な性格と能力不足から、本来は王位継承から外され、伯爵位を与えられて臣籍降下する予定だった人物。
しかし兄エセキエルの急死によって、幼いセレスティノが成人するまでの暫定国王という立場に就く。
本人は自らを王として扱われることを望み、やがてセレスティノへ王位を譲るという誓約を無視して、恒久的に王位を手に入れようと画策する。
国家よりも自身の権勢や贅沢を優先し、王宮費では飽き足らず国家予算の私的流用まで企てたため、宰相や元老院、先王時代からの重臣たちからは実質的に権力を制限されていた。
セレスティノへの嫉妬と王位への執着から暗殺を試み、さらに王妃ゲルトルーデらと結託してフローラを利用したハニートラップを仕掛ける。
策が成功したと思い込み、セレスティノを廃嫡・流刑にするが、それ自体が反撃のための罠だった。
最終的に先王夫妻の死にも関与していたことが発覚し、王位を失ったうえで王妃とともに斬首される。