何故恋愛結婚だけが幸せだと思うのか理解できませんわ

ファラーシャ

ファラーシャは、タフリール公爵家の次女にして、フルサーン侯爵家嫡男カティーブの婚約者。
若くして高位貴族としての教養と自覚を身につけた、知性的で冷静な令嬢である。
感情に流されることを嫌い、婚姻を単なる恋愛感情ではなく、家と家、そして将来の領民を背負う者同士の契約として捉えている。
そのため、婚約者の学生時代の恋愛についても、節度を守るという条件付きで許容していた。
ラーケサの「愛し合う二人が結婚するのが正しい」という主張にも激昂することなく、貴族社会の婚姻制度と身分制度を淡々と説明する。
冷たい人物に見える一方、カティーブとの関係には確かな信頼と情愛があり、婚姻後に夫婦として家族の信頼を築くことも当然の責務として受け止めている。
高貴な美貌と優雅な立ち居振る舞い、そして相手を圧倒する静かな威厳を備えた、公爵令嬢らしい人物である。


カティーブ

カティーブはフルサーン侯爵家の嫡男であり、将来の侯爵位を継ぐ青年。
端麗な容姿と穏やかな物腰を持つ、生粋の貴公子である。
婚約者はタフリール公爵家の令嬢ファラーシャで、両家の関係や将来の家政を理解したうえで婚約を受け入れている。
学院では珍しさからラーケサとの恋愛を楽しんでいたが、それはあくまで学生時代の遊びに過ぎず、数か月で恋情は冷めている。
彼には高位貴族の後継者として、感情と家の責務を切り分ける冷静さがある。
ファラーシャに対しては婚約者として誠実に接し、婚姻後には愛情と信頼を育むことを約束している。
ラーケサの騒動に対しても慌てることなく、ファラーシャに対応を任せて紅茶を飲むほどの余裕を見せる。
一見すると柔和な青年だが、その実、家を背負う者としてかなり現実的で、必要とあれば感情を切り捨てられる人物である。
ファラーシャを生涯の伴侶と定め、その関係を守る意思は明確である。


ラーケサ

ラーケサはモハッレジュ男爵家当主の庶子として生まれた少女。
見た目は非常に愛らしく、明るい髪と大きな瞳を持つ、天真爛漫な美少女として周囲から認識される人物である。
学院でカティーブと出会い、その端麗な容姿と侯爵家嫡男という身分に惹かれて恋人となった。
彼から「可愛い」「好きだ」と言われたことで、自分たちは真実の愛で結ばれていると信じ込んでいる。
しかし、貴族社会の婚姻制度や身分秩序についての理解は乏しく、恋愛小説で得た価値観を現実の王侯貴族社会にもそのまま当てはめてしまう。
ファラーシャを政略結婚の邪魔者と考え、カティーブとの結婚こそ正しいと信じて直談判するが、彼女の知らないところでカティーブの恋情は既に終わっていた。
本人には悪意よりも無知と自己中心性が強く、学院で教えられた制度すら自分に都合よく解釈している。
愛らしい外見と、貴族社会の現実を理解できない幼さとの落差が大きな特徴である。