てめぇの所為だよ

エウフェミア・カルファーニャ

エウフェミア・カルファーニャは、王国屈指の大貴族カルファーニャ公爵家の末娘。
初登場時は7歳で、2人の兄と2人の姉に可愛がられて育った、公爵家きっての愛され令嬢である。
柔らかな金髪と、カルファーニャ家の象徴でもある晴れた春空のような青い瞳を持ち、大きく少し垂れた目元には幼い少女らしい愛嬌がある。
一方、その立ち居振る舞いには既に高位貴族令嬢としての教育が現れており、穏やかな微笑みを浮かべている姿は非常に上品だ。
本来なら好きな貴族令息との結婚を許され、のびのびと育つはずだった。
しかし王国の深刻な女児不足と、他家では王太子妃候補として問題があるという事情から、本人の意思とは無関係に王太子ウルリコの婚約者へ選ばれてしまう。
しかも王太子教育の不足を補うため、通常以上に過酷な王太子妃教育まで課せられた。
それでもエウフェミアは泣いているだけでは終わらない。
自分だけが不本意な婚約を強いられていると思い込むウルリコに、彼女自身もまた婚約を望んでいないことを毅然と告げる。
幼いながらも理不尽を理不尽として指摘できる芯の強さが、彼女最大の魅力である。
その後婚約は白紙となり、成長した彼女は幼馴染の騎士と結ばれ、カルジーニ子爵として新たな人生を歩むことになる。


ウルリコ

ウルリコは王妃を母に持つ王太子であり、王位継承者として育てられた少年である。
初登場時は10歳前後。
王族らしい整った顔立ちを持つ美少年だが、その表情には年齢に似合わぬ不機嫌さや傲慢さが滲みやすい。
王家の威光を当然のものとして受け止め、自分が王太子である以上、周囲は自分の望みを聞き入れるものだと思い込んでいる。
幼いころに読んだ物語のように、自分が見初めた令嬢と恋に落ちて結婚することを夢見ており、幼馴染で従妹でもあるバンキエーリ侯爵令嬢アッスンタをその「運命の姫」だと思っている。
そのため、両親によって決められたカルファーニャ公爵令嬢エウフェミアとの婚約を一方的に不満に思っていた。
しかし、ウルリコは重大な事実を理解していない。
エウフェミアもまた、この婚約を望んでいなかったのである。
しかも王家は女児不足という事情から、候補者の中で最も条件の整った公爵令嬢を何とか説得して婚約者に迎えた側だった。
自分だけが犠牲になっていると思っていたウルリコは、エウフェミアからその現実を突きつけられる。
その後、王太子教育の不振も問題視され、一定の成果を上げられなければ廃太子となることが決定。
最終的に王位を継ぐことはなく、アッスンタと結婚して地方の小領地を治める伯爵となる。
物語の冒頭では自分こそ主人公だと思っていた少年が、現実の厳しさを知ることになる人物である。


国王

ウルリコの父であり、王国を統べる国王。
本文では名前や詳細な容貌は描かれていないため、壮年の威厳ある王として想定できる人物である。
長年にわたって王として政務を担ってきた経験から、感情だけで物事を判断せず、周囲から上がってくる複数の情報を照らし合わせて決断する現実的な統治者として描かれている。
息子ウルリコの婚約についても、単純に王太子の希望を優先したわけではない。
王国では同年代の令嬢が極端に少なく、次代の王妃候補そのものが不足していた。
その中で、身分、家格、家同士の関係、派閥の均衡などを考慮し、カルファーニャ公爵令嬢エウフェミアとの婚約を進めた。
しかし、当のウルリコはその事情を理解せず、自分が望まない結婚を強制されたと思い込んでいた。
エウフェミアとの顔合わせ後、ウルリコが彼女の言葉を不敬として訴えると、国王は侍女や従僕、護衛騎士らから既に報告を受けていた事実を示し、逆にウルリコを叱責する。
先に公爵令嬢を侮辱したのはウルリコであり、彼女の反論には相応の理由があったと認めたのである。
さらに、息子の王太子教育が遅れていることも問題として正式に扱い、15歳までに必要な成果を上げられなければ立太子を取り消すと決定する。
王妃や王太子への身内びいきだけに流されず、王国全体の安定を優先する、厳格かつ現実的な国王である。