マルセリナ・ガルメンディア
マルセリナ・ガルメンディア侯爵令嬢は、王家を長年支えてきた名門ガルメンディア侯爵家の令嬢であり、本作の中心人物である。
王立貴族学院を卒業したばかりの十八歳前後。
第二王子アレホの婚約者だったが、彼が男爵令嬢ヘシカと不貞関係にあったことから、物語開始時点ですでに婚約はアレホの有責によって破棄されている。
性格は冷静沈着で、感情に流されることがない。
謝恩会でアレホから公然と糾弾された際にも取り乱すことなく、すでに婚約が破棄されている事実を淡々と告げるなど、非常に理知的である。
高位貴族としての自覚も強く、事件の表面的な処罰だけではなく、その背景や社会的意味まで理解している。
表情は穏やかだが、時折浮かべる薄い笑みには侯爵令嬢としての威厳と鋭い知性が宿る。
アレホ第二王子
アレホ第二王子は、本作において騒動を引き起こす中心人物の一人。
王太子に定められた第一王子を兄に持ち、自身は第二王子という立場にある。
王立貴族学院を卒業する年齢の青年で、王族らしい華やかな容姿と長身の恵まれた体格を持つという二次創作的イメージが似合う人物である。
婚約者だったマルセリナを差し置き、男爵令嬢ヘシカを「真実の愛」の相手だと思い込んでいる。
ヘシカから虐めを受けたと訴えられると、その話を疑うことなく信じ、卒業謝恩会という公の場でマルセリナを糾弾。
すでに婚約が正式に破棄されていることさえ知らず、婚約破棄と国外追放を一方的に宣言する。
さらにヘシカを未来の王妃にすると公言したことで、王位簒奪の意思を疑われ、その場で拘束された。
激情家で思い込みが強く、自分に都合の良い情報だけを信じてしまう一方、王族としての権力を当然のように振るう人物として描かれている。
最終的には王位継承権を剥奪され、幽閉される。
ヘシカ・オジャ
ヘシカ・オジャ男爵令嬢は、アレホ第二王子が「真実の愛」の相手として選んだ少女。
男爵家の庶子でありながら王立貴族学院に通い、王族や高位貴族の子息たちの中に入り込んでいた。
容姿について本文では、同種の少女たちは「見目だけは良い」と語られており、ヘシカ自身も可憐で人目を引く美少女として設定するのが自然である。
愛らしい顔立ちと華奢で女性らしい体つきを持ち、庇護欲を誘う雰囲気をまとっている一方、その可憐さを武器にしているような計算高さも感じさせる人物。
アレホに対してはマルセリナから虐められているという話を吹き込み、彼を焚き付けて婚約者の座を奪おうとした。
しかし調査によって、アレホだけではなく彼の側近たちとも肉体関係を持っていたことが判明する。
その事実を知らずに「真実の愛」を語ったアレホの愚かさも相まって、二人の関係は王家から見限られる原因となった。
最終的には更生の余地なしと判断され、通常の修道院ではなくコエメトリウム修道院へ送られる。
イベッテ
イベッテは、マルセリナ・ガルメンディア侯爵令嬢に仕える侍女であり、その中でも特に主人から信頼されている腹心の一人。
王立貴族学院にも同行していたため、マルセリナとヘシカ、そしてアレホたちの関係を身近で見てきた人物である。
濃い栗色の髪を実務的にまとめ、琥珀色や茶色の落ち着いた瞳を持つイメージである。
主人への忠誠心は非常に強く、ヘシカがマルセリナにしてきた数々の無礼を知っているため、彼女への心証は極めて悪い。
ヘシカが修道院送りになったことを知った際にも、あれほどのことをしたのだから処罰が軽すぎると率直に不満を漏らしている。
一方で敬虔な国教信徒でもあり、修道院を罪人を捨てる場所として扱うことには抵抗を示す。
マルセリナからコエメトリウム修道院の意味を聞かされると、その真意を察して素早く気持ちを切り替えるなど、聡明さも備えている。