貴方に側室を決める権利はございません

カメリア

カメリアは、ガナドル女王国の次期女王として育てられた王太子。
王族としての高い教養と判断力を備え、国の制度や身分関係を正確に理解している知性的な女性である。
ヴィラ王国のノイヴォ王子との婚約も、個人的な恋愛感情より国益を優先して受け入れていた。
しかし、婿入りする立場でありながら側室を持つと一方的に宣言し、自分が次期国王になると思い込むノイヴォに対しては、一切動じることなく、その権利も立場もないことを指摘した。
婚約破棄後は本来結ばれるはずだったプロメティドと結婚。
夫の前では王太子としての緊張を解き、穏やかで愛情深い一面も見せる。
物語終盤では懐妊し、次代を担う子を宿す母となった。
冷静な統治者としての威厳と、愛する家族を大切にする女性らしさを併せ持つ人物である。


プロメティド・メントル

プロメティド・メントルは、メントル公爵家の次男であり、ガナドル女王国の宰相補佐官を務める青年貴族。
非常に優秀な能吏として知られ、将来の宰相として高く評価されている。
もともとはカメリアの正室候補であったが、国同士の事情によってノイヴォ王子との婚約が成立したため、彼女との縁は一度遠ざかっていた。
ところがノイヴォの愚行によって婚約が破棄されると、プロメティドはヴィラ王国との交渉を担う使節として派遣され、違約金と賠償をめぐる問題を見事に処理する。
後に念願のカメリアと結婚し、彼女を深く愛する夫となる。
政治的には冷静かつ有能でありながら、家庭ではカメリアに優しい言葉をかけ、妊娠した彼女を気遣う穏やかな男性。
王太子である妻を支えながら、自身も次期宰相として国政を担う人物である。


ノイヴォ

ノイヴォは、ヴィラ王国の王子としてカメリアの婚約者となった青年。
ヴィラ王家に伝わる希少な羅針盤魔法の血筋を持つことから、ガナドル女王国側にも婿入りを受け入れるだけの理由があった。
しかし本人は、自分がどのような立場で迎えられるのかを正しく理解していなかった。
女王が治めるガナドルに婿入りするにもかかわらず、自分が次期国王になると信じ、さらに愛するルイナを側室に迎えると一方的に宣言する。
カメリアから権利の有無を問われても、王子であることを根拠に押し通そうとし、近衛騎士に拘束された後も自分を処刑できるほどの権力があると思い込んでいた。
その結果、婚約は即座に破棄され、ヴィラ王国そのものも賠償の代償として失われる。
最終的には王族の身分を失って平民となり、港で荷運びをして暮らしている。
物語を大きく動かすきっかけとなった人物である。


女王陛下

カメリアの母である女王陛下は、ガナドル女王国を治める現君主。
王位継承を担う娘を大切にしながらも、国家の利益を最優先に考える優れた統治者である。
ノイヴォ王子との顔合わせでは、遠隔通信魔法を用いて最初から一部始終を見届けており、娘が侮辱されたことも、ヴィラ王子が自らの立場を理解していないことも把握していた。
その後、ヴィラ王国が違約金と賠償金を支払えないことを見越したかのように、婚約破棄と賠償に関する手続きを迅速に整えていた。
結果としてガナドルはヴィラ王国の領土と豊かな港、そして王家に伝わる羅針盤魔法の血筋を手に入れることになる。
単なる偶然とは思えない手際から、彼女が事態をかなり先まで見通していた可能性が示唆される。
現在は娘の懐妊によってようやく退位への道筋が見え、夫である宰相と穏やかな隠居生活を望んでいる。


宰相

カメリアの父であり、ガナドル女王国の宰相を務める男性。
女王である妻を支えながら国政を取り仕切り、娘であるカメリアの後見人的な立場も担っている。
普段は穏やかな笑みを浮かべる紳士的な人物だが、娘を侮辱されることには非常に厳しい。
ノイヴォが側室を迎えると宣言し、自分こそ次期国王だと騒ぎ始めた際にも、怒鳴り返すことなく状況を冷静に見極め、最終的には拘束魔法で彼を無力化した。
そして即座にヴィラ王国一行の退去を決定し、プロメティドを使節として派遣する。
政治家としての決断力と実務能力に優れ、怒りを表に出さず淡々と処理する姿は、彼の有能さを象徴している。
一方で、娘の本来の婚約者となるはずだったプロメティドを高く評価しており、彼とカメリアが結ばれることには好意的だったと考えられる。
女王とは深い信頼関係で結ばれた夫婦でもある。