シャンセ・グリフォス(15年後)
シャンセ・グリフォスは、ログス公爵家の長女として生まれた公爵令嬢。
前世では母エスポーザを出産時に失い、その原因が自分にあると思い込まされ、父や兄からも疎まれながら王太子の婚約者として生きた、いわゆる「悪役令嬢」であった。
しかし死の後、奇跡的に胎児の段階まで逆行転生。
生まれる前から母に盛られた毒を見抜き、高位の解毒・治癒・身体強化魔法を行使して母の命を救った。
その結果、父や兄からも深い愛情を受け、前世とはまったく異なる幸福な人生を歩むことになる。
十五歳となった彼女は、淡い金髪と透明感のある淡青色の瞳を持つ、可憐で気品ある少女。
公爵令嬢としての優雅さを備えながら、その内面には前世の経験から得た強い意志と知性が宿っている。
自分の魔力と能力を恐れず、必要なことには迷わず行動する芯の強さが魅力。
前世の陰鬱な雰囲気はなく、家族から愛されて育った少女らしい明るさと穏やかな幸福感をまとっている。
エスポーザ・グリフォス
エスポーザ・グリフォスは、隣国の王女として生まれ、現在はログス公爵家に嫁いだ公爵夫人。
作中では明確に「美しいお母様」と表現されており、その美貌は国王が長年忘れられないほど。
王女としての高貴さと、公爵夫人としての穏やかな品格を併せ持つ女性である。
夫であるログス公爵とは深い愛情と信頼で結ばれており、領地経営においても彼を支える存在だったと考えられる。
娘シャンセを身ごもった際、国王の彼女への執着を断ち切れない王妃から命を狙われ、密かに毒を盛られてしまう。
本来の歴史ではシャンセを出産した際、その毒と身体への負担によって命を落とし、それが娘の人生を大きく狂わせることになる。
しかし逆行したシャンセが胎児の状態で毒を発見し、解毒・治癒魔法を施したことで運命は一変。
娘を無事に出産し、その後も健やかに暮らすこととなる。
ログス公爵
ログス公爵は、国内でも最高位に位置する筆頭公爵家の当主であり、エスポーザの夫、そしてシャンセの父。
妻が隣国の王女ということもあり、強大な家格と政治的影響力を持つ人物である。
前回の人生では、最愛の妻エスポーザを失った悲しみと、「娘シャンセの誕生が妻の死を招いた」という認識から、娘を疎んでしまう。
しかし逆行後の世界では、胎児であるシャンセが妻に盛られた毒を見抜き、命を救ったことを知る。
彼は娘の魔法を単なる奇跡として受け流さず、その背後にある陰謀を徹底的に調査。
エスポーザへの毒殺未遂が王妃の指示によるものだと突き止めるだけでなく、国王が自分を陥れて処刑し、エスポーザを手に入れようとしていた事実まで掴み、王弟へ証拠を託した。
冷静沈着で慎重、そして非常に有能な政治家である一方、妻と娘を心から愛する家庭人でもある。
外見は長身で肩幅の広い端正な男性。
男爵令嬢(15年後)
男爵令嬢は、物語の後半でシャンセの前に現れる、もう一人の転生者。
前世ではシャンセが登場する少女漫画を愛読しており、とりわけ悪役令嬢として描かれていたシャンセを気に入っていた。
彼女は「この悪役令嬢を幸せにしたい」と願った結果、漫画の世界へ転生する。
しかし、実際に転生してみると、知っている物語とは歴史が大きく異なっていた。
国王も違えば王太子も違い、本来なら不幸になるはずだったシャンセの消息すら分からない。
それでも彼女は学院へ進み、シャンセ本人の無事を確かめようとする。
そして十五年ぶりに目にしたシャンセが、前世の物語とはまったく違って幸せそうに微笑んでいる姿を見て、「シャンセ様が幸せそう……嬉しい」と涙を流す。
非常に感情豊かで、好きな相手への愛情を隠さない明るい少女。
勢いよく突撃してしまう行動力もあり、シャンセにとっては前世の物語を知る貴重な理解者となる。
後にシャンセと友誼を結び、その侍女となる。