3歳児にも劣る淑女(笑)

ローザリア

ローザリアは、王家とも深い縁を持つ名門貴族の令嬢。
学院に通う18歳前後の少女でありながら、礼儀作法と貴族社会の常識を完璧に身につけた、知性と品格を兼ね備えた淑女である。
淡い金髪と青みを帯びた瞳を持つ端正な美貌の持ち主で、華美に着飾るよりも上質な衣装を品良く纏うことを好む。
物腰は柔らかく、王族に対しても決して礼を失しない一方、筋の通らないことには容赦なく正論を突きつける。
特に、婚約者のいる男性へ無遠慮に身体を寄せるコレットの振る舞いを「貴族令嬢としてあり得ない」と繰り返し忠告してきた。
そのためランディウスからはコレットを苛める令嬢と誤解されていたが、本人はいたって冷静。
皮肉と優雅な微笑みを武器に、相手自身に矛盾を気づかせる話術を得意としている。
幼いアンジェ王女からは「ロザ姉様」と慕われており、彼女自身もアンジェを心から可愛がっている。
なお、ランディウスの婚約者と誤解されがちだが、実際の婚約者は現国王の弟ルヴァ王子である。


アンジェ

アンジェは、王国の第三王女ともいうべき幼い王女で、ランディウスの妹にあたる3歳の少女。
淡い金髪と大きな青い瞳、幼い頬と小さな身体を持つ、まさに絵本から抜け出してきたような愛らしい存在である。
兄ランディウスからは溺愛され、ローザリアからも「天使」と評されるほど可愛がられている。
幼いながらも王女としての教育を受けており、礼儀作法についてはすでにコレットより優れているとローザリアが評するほど。
ローザリアを「ロザ姉様」と舌足らずに呼んで慕い、彼女が王宮を訪れることを楽しみにしている。
一方、兄の不在が続くことには寂しさを感じており、周囲から「逢引」や「浮気」といった言葉を教えられてしまったこともある。
そんなアンジェの人生を大きく揺るがしたのが、兄ランディウスがコレットと接吻している現場を目撃した事件だった。
接吻が婚約者や夫婦の間でするものだと理解していたアンジェは大きな衝撃を受け、兄に向かって「ふけちゅでしゅ! だいっきらい!」と泣き叫ぶ。
それ以来ランディウスを拒絶し、ローザリアの家へ避難。
結果として兄を改心させる最大のきっかけとなった、物語の小さなキーパーソンである。


ランディウス

ランディウスは王国の第一王子であり、かつては次代の王に最も近い人物と目されていた青年である。
18歳から20歳ほどの年齢で、金髪碧眼の端正な容貌と王族らしい長身を備えた、外見だけなら理想的な王子そのもの。
もともとは王族としての自覚もあり、言葉遣いも立ち居振る舞いも品格を備えていた。
しかし、元平民の男爵令嬢コレットと親しくなってから、その人格と判断に大きな変化が現れる。
彼女の涙ながらの訴えを疑うことなく信じ、ローザリアをはじめとする令嬢たちがコレットを注意すると「苛めている」と決めつけて庇うようになった。
王族らしい「私」という一人称まで「俺」に変わり、婚約者レイチェルを顧みないままコレットとの関係を深めていく。
だが、溺愛していた妹アンジェに不貞の現場を目撃され、「ふけちゅ」「だいっきらい」と拒絶されたことでようやく目を覚ます。
その場でコレットとの関係を断ち切り、最終的には不貞によって婚約を解消され、王位継承権も降格となった。
以後はアンジェへの謝罪を繰り返すが、しばらく妹に許してもらえない日々を送ることになる。


コレット

コレットは、3年前に男爵家へ迎え入れられた元平民の18歳の少女。
明るい髪と大きな瞳、華やかで女性らしい容姿を持ち、一見すると守ってあげたくなる可憐な美少女である。
ふわりとした長い髪にリボンやレースを多用した華やかな装いを好み、特に高位貴族の美青年の前では、無邪気で天真爛漫な少女として振る舞う。
しかし、その実態は非常に計算高く、自分が魅力を振りまく相手を明確に選んでいる。
身分が高く、裕福で、容姿の優れた男性を好み、相手に婚約者がいるかどうかを気にする様子もない。
男性の胸板に手を置いたり、身体を押し付けるように腕を絡めたりするなど、貴族社会でははしたないとされる距離感で接近する一方、女性や自分の好みに合わない男性には態度を一変させる。
ローザリアから作法を注意されるたびに、ランディウスへ泣きついて「苛められた」と訴え、彼の庇護を得ていた。
だが、ランディウスが妹アンジェから拒絶されたことで目を覚ますと、あっさりと関係を断たれる。
その後は学園から姿を消し、引き取られていた男爵家も取り潰されたらしい。
作中では、華やかな外見と演技によって周囲を翻弄する少女として描かれている。