子育て失敗の尻拭いは婚約者の務めではございません。

ヴィミラニエ・アベルビスィア

ヴィミラニエ・アベルビスィアは、ネメスィ公爵家の長女にして、15歳の元王太子婚約者である。幼い頃から王太子妃となることを定められ、王妃教育を受けてきた才女だった。
12歳で教育を終えると王宮に住むことを命じられ、王太子に課された公務のみならず、王妃が本来担うべき大量の書類仕事まで押し付けられることになる。学院に通う時間さえ奪われ、1日3時間ほどしか眠れず、食事も白パンやスープで済ませる日々を3年にわたって送った結果、深刻な栄養失調と発育不全に陥っていた。
王太子から婚約破棄を宣言された彼女は、感情的に反発するのではなく、「国王の命令によって結ばれた婚約なのだから、破棄にも国王の命令が必要」と冷静に応じる。その後、王太子の失態について婚約者としての責任まで負わせようとする国王に対し、自分も王太子と同じ15歳の子供であることを指摘。王太子を教育する責任は、親である国王夫妻や傅役、教育係など大人たちにあると論理的に反論する。
普段の彼女は極めて礼儀正しく、常に貴族令嬢らしい丁寧な言葉遣いを崩さない。しかし、その言葉の一つ一つには鋭い知性と強い意志が宿っている。肉体は過酷な生活によって壊れかけていても、精神まで屈することはない。
王宮の腐敗と王家の無責任さをすべて暴き、最後には父とともに国を見限り、隣国へ旅立つ。
儚げな外見と、決して折れない精神の強さ。その鮮烈な対比こそが、ヴィミラニエという少女の最大の魅力である。