アレクサンドラ・マグダレーナ・フォン・クロンティリス
フィアナ皇国の国家中枢を担う四神公爵家の一つ、クロンティリス家の直系令嬢。
皇家に次ぐ高い身分を持ち、当代唯一の四神公爵家直系令嬢であることから、皇妃となる資格を持つ女性でもある。
幼少期から貴族として必要な知識や教養を身につけ、さらに魔術師としての才にも恵まれ、国に五人しか存在しない「賢者」の一人。
学院では必要な単位を一年で取得し、その後は学業よりも魔族討伐を優先して冒険者として活動している。
前世は21世紀の日本に生きた女性で、乙女ゲーム『フィアナ・ロマンシア~恋と冒険の叙事詩~』の記憶を持つ転生者。
そのため自分がサポートキャラクター、ルートによっては悪役令嬢、さらに隠しシナリオの主人公となる人物だと理解している。
冷静で知的、貴族社会の常識にも精通しており、理不尽な断罪にも動じない。
一方で家族や幼馴染との絆は深く、特に兄リスティスからは溺愛されている。
普段は貴族令嬢らしい優雅な振る舞いを見せるが、冒険者仲間の前では気安い関係を築いている。
レグルス・ミセルコルディア・アロイス・フォン・フィアナ
フィアナ皇国の第一皇子で、現在最も皇太子に近いとされる皇族。
乙女ゲーム『フィアナ・ロマンシア~恋と冒険の叙事詩~』では公式から「真のヒーロー」として扱われた隠れた重要人物であり、アレクサンドラにとってもゲーム攻略時にその声を聞くために攻略したほど特別な存在だった。
燃えるような赤髪と蒼氷色の瞳を持つ美丈夫で、皇族としての威厳と冒険者としての実力を兼ね備えている。
すでに冒険者5級に認定されており、皇位継承資格を満たしているうえ、特級に最も近い冒険者とも評される。
アレクサンドラとは幼い頃からの幼馴染であり、普段は互いに敬語を使わない気安い関係。
魔族討伐では同じパーティの仲間として行動しており、彼女を「レーナ」と呼べる唯一の家族外の人物でもある。
公の場では皇族としての威厳を保ち、愚かな弟エルナンドに対しては厳しく現実を突きつける一方、アレクサンドラには深い愛情を抱いている。
皇太子となる資格を得た後もすぐには立太子せず、彼女が冒険者として活動できる時間を守ろうとしていた。
最終的には舞踏会の場で自ら彼女に求婚し、冒険者としての絆と恋情を結びつける人物となる。
リスティス・イオニアス・フォン・クロンティリス
セーヴェル公爵家の嫡男であり、現スコル侯爵。
アレクサンドラの実兄で、四神公爵家の次代を担う人物としてすでに宮廷で活躍している。
22歳という若さながら財務省の文官を務め、以前は司法省にも勤務しており、将来の宰相候補、そして次期皇帝の片腕となることを期待されている。
能力と性格から「冷徹な政治家」として知られ、礼儀や制度を重んじる非常に理知的な人物である。
その一方、妹アレクサンドラに対しては極めて過保護で、普段の冷静さからは想像できないほどの溺愛ぶりを見せる。
卒業舞踏会でエルナンドが妹を一方的に断罪すると、彼女を守るように前へ出て、皇太子ではないことや皇位継承資格がないことを淡々と指摘する。
その冷たい態度には、怒りを露わにするよりも静かな威圧感がある。
ゲアリンデがなおもアレクサンドラへ罪を着せようとすると、レグルスに発言許可を求めたうえで彼女を問い質すなど、徹底して貴族社会の礼法を守る人物でもある。
妹を守るためなら容赦のない言葉を放つ、冷徹な政治家と重度のシスコンという二面性が魅力の人物。
エルナンド・アヒム・ダーフィト・フォン・フィアナ
フィアナ皇国の第9皇子。
自らを皇太子と信じ、将来は皇帝として国を統治するのだと確信している人物である。
皇后の子であることを根拠に、自分こそが皇位を継ぐべき存在だと考えているが、実際には母カテリーナ・ダルシェナは皇妃ではなく愛妾の「才人」であり、エルナンド自身も皇位継承権を持っていない。
さらに皇族として必要な冒険者登録を拒否したことで、本人の選択によって継承権を失っている。
学問と武術の鍛錬に励んでいると本人は自負し、家庭教師が自分に教えることがなくなるほど優秀だと信じているが、その自己評価と実際の知識・常識には大きな隔たりがある。
特に皇家の制度、貴族社会の仕組み、皇位継承条件など、皇族として当然知っているべき事項を理解していない。
ゲアリンデを「真実の愛」の相手として盲目的に信じ、アレクサンドラを婚約者だと思い込んで卒業舞踏会で婚約破棄と断罪を宣言する。
本人は善意と正義感から行動しているつもりだが、結果として皇族としての立場を危うくする騒動を引き起こすことになる。
ゲアリンデ・フォン・アルホフ
クロンターフの豪商であったアルホフ男爵の令嬢で、17歳で下位貴族となり国立ユーラティオ学院へ編入した少女。
乙女ゲーム『フィアナ・ロマンシア~恋と冒険の叙事詩~』では18歳のデフォルトヒロインとして設定され、貴族社会の堅苦しいルールに縛られない天真爛漫なヒロインとして攻略対象たちと恋を繰り広げる存在である。
柔らかな亜麻色の髪と白い肌、新緑の瞳を持つ可憐な少女として描かれ、エルナンドからは「未来の皇后に相応しい」と寵愛されている。
しかし本作で描かれる彼女は、単純な「健気なヒロイン」ではない。
ゲームでは選択によって性格が大きく変化し、常識や社会背景を理解した場合には、商才に富む頭の切れる女性としての一面を見せる一方、恋愛中心の選択を重ねれば無神経な言動を取る人物にもなる。
作中ではゲーム知識を持つ転生者であることが示され、エルナンドルートのバッドエンドをベストエンドと誤認しているような行動を見せる。
貴族社会の常識や身分秩序を理解しないまま振る舞い、最終的にはアレクサンドラへの冤罪に関わることとなる。